クラウドサービスに強い社会保険労務士の検索、
相談ができるプラットフォーム「社労士Station」

給与計算は内製化?外注化?社労士依頼も徹底比較

給与計算業務と一括りにしても、毎月の給与計算業務だけでなく1年の中には賞与や年末調整などのイベントがありますし、住民税更新や保険料率改定等に伴う対応など多岐にわたります。

そのような業務を執り行うためには人事労務に関わる正しい知識を持ち、法改正なども常に意識しておかなければならないため責任を伴う重要な業務です。

雇用とは切っても切れない関係の給与計算業務ですので、内製化と外注化それぞれのメリットデメリット、社会保険労務士に依頼する場合のポイントを詳しく見ていきましょう。

年間通して適時対応が必要!給与計算業務とは

冒頭でも触れた通り、給与計算業務は毎月の締め日支払日をベースとした業務以外にも適時対応すべき業務が多数存在します。

毎月の給与計算業務と年間通して適時対応が必要となる業務、それぞれ具体的にどのような業務が発生するのか振り返っていきましょう。

毎月の給与計算業務

  • 勤怠を締める前に申請漏れの催促
  • 新入社員や退職者に関する変更作業
  • 固定給などのマスタ変更
  • 変動給算出
  • 給与振込
  • 住民税、社会保険料の納付
  • 経理連携

毎月の給与計算を回すためには、大まかに見てもこのように一つずつ段階を踏んで処理していかなくてはなりません。使用しているツールによってそれぞれの業務にかかる時間は異なりますが、いずれの場合も全ての項目を正しくチェックする必要があります。

年間通して適時対応が必要な業務

  • 住民税更新
  • マルフ更新
  • 各種賞与
  • 定時昇給
  • 年度更新(労働保険納付)
  • 定時決定(各従業員の社会保険料等級の定期決定)
  • 労働保険料率改定
  • 健康保険料率改定
  • 年末調整

賞与や昇給については自社で決められた時期に行うことになりますが、法に則って適時適切な対応が必要となる重要な業務ばかりです。

住民税更新、年度更新、定時決定などそれぞれの準備期間は対応に追われますし、年末調整では従業員からの情報収集業務もあるため申請前の準備期間も多めに必要になります。

内製化、外注化どちらがおすすめ?抱える課題で考える

内製化と外注化を比較していく前にそれぞれが意味する給与計算方法の違いをおさらいし、自社の抱える課題や求めるポイントをもう一度考えていきましょう。

  • 内製化:自社内で給与計算業務を行うこと
  • 外注化:給与計算業務を社外に依頼して完了させること

給与計算業務は外注化、内製化どちらが良いのか迷われることも多いと思いますが、手間や時間、コストなどケースによって重要度は変わってくるはずです。

自社内で給与計算を行う内製化。メリットデメリットとは

実際に給与計算業務を経験してきた方へのアンケートを集計してみると、内製化と外注化それぞれのメリットデメリットが浮き彫りになってきました。ぜひ自社の抱える課題を重ねてみてはいかがでしょうか。

内製化のメリット

  1. 担当者に直接確認できる
    社内の担当者と直接やり取りができるため外注化と比べるとコミュニケーションコストが抑えられますし、担当者が社員の現状を把握しやすいことはメリットです。
  2. 委託コスト減
    単純に外注するコストを抑えられます。
  3. 会社独自のルールを作成しやすい
    会社独自の細かい支給控除ルールを作成しやすいという声も聞かれました。

内製化のデメリット

  1. 業務が属人化しやすい
    会社独自の細かな支給控除ルールを理解している人は限定的で煩雑化しがちで、担当者の退職時に引き継ぎが難しいケースも多いようです。
  2. 専門知識不足とそれに伴う責任が重い
    外注化では専門家に依頼できるところ内製化では専門知識は劣ります。また、増税や法改正など知識のアップデートが難しい上に、計算ミスがあれば重い責任がのしかかります。
  3. 労務担当者の残業代が増える
    通勤費未支給の遡り月変などリカバリー対応が必要になれば労務担当者の残業代も増えます。給与計算業務に人員がとられるので実際はコスト削減になっていないのです。

内製化の給与計算業務経験者によると”給与計算が誤った方法”で行われていても発覚が遅れ、保険料徴収ミスなどが断続的に発生していたというケースも聞かれました。

外注化のメリット

  1. 属人化の解消
    属人化が解消され労務担当者の業務負担が軽減すれば、その他の人事戦略が行えるようになりますし業務の効率化やコア業務へ集中する時間を確保できます。
  2. 専門知識を持ち、他社事例を見てきた担当者に任せられる
    専門知識を持つ担当者に任せられるので、増税や法改正などの最新情報に対しても速やかに対応可能です。
  3. 他社事例を参考にできる
    外注先が経験してきた他社事例を参考にできることもメリットです。

外注化のデメリット

  1. コミュニケーションコストがかかる
    情報のやり取りに手間や時間がかかったり、合間に発生する細かなミスの見落としが発生することも。
  2. 委託コストがかかる
    当たり前ですが委託コストが発生します。
  3. 外注先選定リスク
    外注先、またその担当者のレベルによりサービスのむらがあることも覚えておくべきです。

外注化の給与計算業務経験者によると、労務担当者の負担は軽減するものの従業員と外注先担当者との間に立ってやり取りする必要があったり、毎月給与計算の基となる”素材集め作業”は残るとのことでした。

外注する場合はコミュニケーションコストやデータの共有方法のチェックと、対応範囲やサービスレベルを比較する必要がありそうです。

給与計算業務コストの相場は?内製化の変動費にも目を向けて

ここまで見てきた通り内製化と外注化の給与計算業務はイメージできましたが、実際にかかってくるコストも気になります。企業規模によっても異なりますが考えられるコストを含めて比較してみましょう。

内製化給与計算コスト

内製化給与計算の場合、企業規模によってコストも変動しますが、アナログ作業でも専用のプリンタの維持費や専用の用紙、封筒や切手代がかります。クラウドソフトだと30人規模で無料から年間契約で10万円台と幅広いです。

外注化給与計算コスト

外注化給与計算の場合、給与計算人数に応じて金額設定がされているケースが多く見られます。例えばA社では「基本料金(6,000円)+1,200円/人」、B社では「4人までは20,000円、それ以上は+500円」といった金額設定があるようです。

内製化給与計算では、ランニングコストの他に労務担当者の残業代も掛かるためイレギュラー対応がある月はさらにコストがかかります。反対に、外注化給与計算の場合はそのような負担がかからずコストは一定です。

社会保険労務士に依頼するメリット、デメリット

給与計算業務を外注する場合、委託先のレベルやサービスを見極める必要があるため慎重に行うべきポイントとなります。

社会保険労務士に委託するかアウトソーシング会社に委託するかといった違いもあり、国家資格として専門知識を有する社会保険労務士所に依頼する場合のメリットデメリットを考えていきましょう。

社会保険労務士に依頼するメリット

労務関連の相談先になるだけでなく、社会保険労務士のみが業として行える業務があるということは大きなメリットです。例えば、就業規則、36協定、労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金保険、雇用関係助成金など厚生労働省への手続きが代理で行えます。

また、更に”特定社会保険労務士”資格保有者であれば、会社と労働者の間で紛争が起こった場合に当事者の代理となって話し合いを行うあっせんの手続きにも対応可能です。

社会保険労務士に依頼するデメリット

社会保険労務士に依頼する場合「給与計算業務」は依頼の一部になるため、コストがかかってしまうと感じたり、まだアナログのみの対応に限定している事務所が多いため、コミュニケーションコストがかかることも考えられます。

また、クラウドに対応していても対応可能なクラウドシステムの見分けがつかず、探しにくいこともあるのではないでしょうか。

クラウドシステム対応の社会保険労務士を探すことも可能!

給与計算業務の内製化と外注化を比較するとそれぞれメリットデメリットはありますが、内製化かつアナログ業務では業務の属人化に伴うリスクやコストの問題は避けられません。

また、クラウドシステムを利用する場合も正しく運用していくためには法改正にも対応し、正しい知識を持つ社会保険労務士に依頼することが賢明でしょう。

社会保険労務士に依頼する場合は、自社の状況を考慮して正しく選ぶ必要があるので「社会保険労務士事務所を選ぶ際のポイント」をおさらいしておきましょう。

社労士事務所の選び方一覧へ