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専門家のはずなのに!?社会保険労務士に助成金業務を断られない方法


「助成金を申請したいと思って近所の社会保険労務士に依頼したら断られた!」なんて経験はないでしょうか。


助成金申請の専門家である社会保険労務士(以下、社労士)が、ご依頼を断るとは失礼な話です。ただ、社労士も無下に断っているのではなく、それなりの理由があってお断りしているのです。


本記事では、社労士に助成金業務を依頼するメリット・デメリットと依頼を断られない方法を紹介しますので、助成金申請を検討中の方は参考にしてください。


【H2】なぜ社労士は助成金業務を断るの?

助成金の申請業務は、社労士の独占業務です。独占業務とは、当該国家資格や業務独占資格を持つ者だけが携わることのできる業務を指します。


ある程度の苦労をして資格を取ったはずなのに、なぜ助成金業務を断る社労士がいるのでしょうか。


それは、助成金申請に慣れていない社労士にとって、助成金申請はリスクが大きいからです。


「助成金」は、会社や従業員が納めている「雇用保険料」を財源としています。各助成金の要件に該当した会社が当該助成金を申請することができますが、その財源ゆえに申請書類は厳しくチェックされます。


社労士が助成金申請を代行するときには、提出代行印を押印します。この提出代行印は、単に「書類を作成しました」という意味ではなく、「連帯保証人として助成金の申請内容を保証します」という意味を持ちます。


申請内容に不正や虚偽が発覚した場合には、会社と社労士が連帯して返金する必要があるうえ、社労士は資格を取り上げられたり1年間の業務停止を命じられたりします。


残念ながら、意図的に会社をそそのかしたり書類を改竄したりする社労士もいます。しかし、助成金業務に慣れておらず悪意なく行った行為が不正と認定されてしまうこともあります。


こうした背景から、専門家であるにもかかわらず、助成金申請のご依頼をお断りする社労士がいるのです。


助成金・補助金・給付金の違い

社労士にとってのリスクの大きさ以外の理由にも、ご依頼をお断りすることがあります。それは、「助成金」ではない場合です。


国や地方自治体が実施している制度は、よくよく見てみると「助成金」だけでなく「補助金」や「給付金」とそれぞれ名称が異なっています。


「助成金」は雇用保険が財源、つまり厚生労働省が管轄しており、申請業務を代行できるのは社

労士のみです。「補助金」は経済産業省の管轄で、補助金申請のサポートは何らかの資格保持者に限られません。多くの場合、行政書士や中小企業診断士の方々が申請サービスを提供しています。「給付金」は、特定の省庁の管轄ではなく、国や地方自治体が実施しています。サポートは特定の士業ではなく、国や地方自治体で行われることが多いです。


助成金・補助金・給付金の違いを簡単にまとめると、以下の通りとなります。


助成金補助金給付金
管轄厚生労働省経済産業省特になし
申請サポートの担当者社労士のみ行政書士、中小企業診断士など国・地方自治体
申請の難易度要件に該当していれば必ず受給できるが、要件を満たすこと自体が難しい受給数が決まっており、倍率が高い要件に該当していれば必ず受給でき、申請の難易度も一番低い
具体例雇用調整助成金 キャリアアップ助成金IT導入補助金 ものづくり補助金持続化給付金 住宅確保給付金


社労士が補助金や給付金の申請サポートをしていることもあるかもしれませんが、ケースとしてはそう多くはありません。社労士に依頼するときには使いたい制度が「助成金」かどうかを改めてチェックしてみてください。


社労士に助成金業務を依頼するメリット・デメリット

自社で助成金を申請することが難しいと感じたら、第三者の助けを借りるには社労士に依頼するしかありません。なぜなら、助成金の申請業務は社労士の独占業務だからです。


以下に、社労士に助成金業務を依頼するメリット・デメリットを紹介しますので、社労士に依頼するかご検討中の方は参考にしてください。


社労士に助成金業務を依頼するメリット

社労士に助成金業務を依頼するメリットは、主に以下の3つです。

・助成金を受給できる可能性が高まる

・申請書類を準備する労力をかけずに済む

・労務管理の課題も解決できる


社労士は助成金申請業務の専門家ですから、自社が各種助成金の要件に該当しているかどうかや書類の不備などの有無を判断することに慣れています。そのため、自社で判断するよりも助成金を受給できる可能性を高めることが可能です。


また、助成金の申請を通すためには非常に多くの書類を準備する必要がありますが、社労士に依頼すればこうした労力をかけずに済み、本業に専念することができます。


さらに、助成金の書類を整えていくためには、会社の実態や制度についてヒアリングする過程が生じます。この過程で、労務管理の課題も解決できることが社労士に依頼するメリットの一つです。


社労士に助成金業務を依頼するデメリット

社労士に助成金業務を依頼するデメリットは、主に以下の3つです。

・社労士に支払う報酬が必要

・不支給の可能性をゼロにはできない

・社労士にマル投げはできない


社労士に助成金業務を依頼した場合には、社労士に支払う報酬が発生します。報酬は、受給額の20%前後で設定されていることが多いです。自社で申請すれば助成金の100%が自社のものになりますが、社労士に依頼するとその一部を支払わなければなりません。


また、社労士に依頼したからといって当該助成金が100%受給できるとは限らないことにもご留意ください。助成金の制度は改正されることも多々あり、制度を整えたり書類を準備したりしている間に要件が変わって受給できなかったという結果になることもあり得ます。


そして、社労士に助成金業務を依頼したとしても、マル投げにはできないということもデメリットです。ときどき社労士が申請のための全てのステップをこなしてくれると思い込んでいる方もいらっしゃいますが、基本的に、助成金の要件に該当するための制度を整えるのは自社で行わなければなりません。社労士は、あくまで法律に則ってアドバイスをしたり、会社の実態に合わせて書類を準備したり、制度を整えるようサポートしたりする立場にあります。


得意領域が「助成金」である社労士に頼もう

上記のメリット・デメリットを確認し、社労士に助成金申請業務を頼もう!と決めた場合、依頼を断られないためにはどうすればよいのでしょうか。


それはズバリ、得意領域が「助成金」である社労士に頼むということです。


当たり前のように思えますが、助成金申請業務は社労士にとってリスクが大きいこともあって申請実績がない者も多く、全ての社労士が得意としているわけではないのです。


助成金を得意領域としている社労士を探すには、当サイト「社労士ステーション」をご活用ください。「こだわりの事務所を探す」から、「助成金」を選択して検索することができます。


社労士に助成金業務を断られない方法まとめ

助成金申請業務は社労士の独占業務ではありますが、意図せずとも不正や虚偽と認定されてしまった場合は資格剥奪や業務停止を命じられるなど、社労士にとっても大きなリスクがあります。

使用したい制度が「助成金」であるかどうかや、本記事で紹介したメリット・デメリットを確認したうえで、得意領域が「助成金」である社労士に助成金申請業務を依頼するようにしましょう。

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