【解説】クラウドサービスの導入支援
「クラウド給与計算」や「クラウド勤怠管理」などの各種クラウドサービス名をインターネット広告やテレビCMなどで、目にしたり耳にしたりする機会は一段と増えたのではないでしょうか。
TECO Designではクラウドサービスの「導入支援事業」を提供していますが、そもそも導入支援事業とは「一体何!?」といったお声をよくいただきます。
そこで、クラウドサービスの「導入支援業務」とは具体的にどのようなサービスなのか、TECO Designで実施している導入支援を例にご紹介していきます。
こんな方におすすめ
・勤怠管理システムの見直し、導入検討するにあたってどこに相談したら良いかわからない
・給与計算システムや年末調整のシステムの入れ替えをしたいが、忙しくて手が回らない
導入支援業務とは?サービスの選択から業務フローの変更まで
TECO Designではオンラインにて導入支援を行っており、勤怠、労務、給与に関するクラウドサービスの豊富な導入実績や具体的な業務フローの設計実績から、複数のサービスの中で各企業さまに合わせたご提案、そしてご支援をしています。
具体的な導入支援の内容として
・ヒアリングにて現状把握
・適切なクラウドサービスの選定
・業務フローの見直しと整理
TECO Designではクラウドサービスの選択・設計の実施、そして現システムから新システムへのデータ移行、さらなる効率化を図った業務フローの変更までお手伝いいたします。
導入の成功率を上げるべく、まず目的のヒアリングを
クラウドサービス導入を検討されたきっかけをお伺いすると、「現在の給与計算ソフトや勤怠管理システムの更新時期」や「担当者が変わる(休職や退職)タイミング」など、様々なバックグラウンドをお聞かせいただきます。
そのバックグラウンドを紐解き、「いま困っていること」や「これから向かう方向」をまず確認した方が導入の成功率が上がるのは当然です。そのため、まずは「ヒアリング」を実施しています。
クラウドサービス導入目的の一例
・業務の属人化を防ぐ
・オペレーションコストを下げる
・経営に必要な指標を見やすくする
多くの場合「どれを選んだらよいのか?」というご相談をいただきますが、まずは目的を踏まえてタイムカード、賃金台帳、就業規則などを照らし合わせて現状を確認し、そこからサービスを選定していくといった流れでヒアリングをすすめます。
その後、システムに合わせるためにルールを決めて実際に設定に取り掛かることとなりますが、導入サービスを決定する前に、目的や実態をきちんと把握することが導入成功のカギだということを、ぜひ覚えておいていただけると嬉しいです。
公平な立場でサービスの比較・選定できるのが強み!
ここからはヒアリングを実施した後のサービス選定や設計段階の導入支援について、詳しく見ていきましょう。
ヒアリング段階では企業側の目的や実態にフォーカスしてきましたが、その目的に合ったサービスを正しく選定することは、私たちも非常に重要な部分だと考えています。
今や「戦国時代」とも呼べるほどHRテクノロジーのサービスは乱立しており、その中から自社の目的に合ったサービスの組み合わせ、課題解決のためのサービスであるか判断することは非常に難しく、情報収集だけでも労力が必要とされるでしょう。
各社サービスにはそれぞれ「得意な領域」「そうでない領域」があるもので、どちらの方が優れているということではありません。
各社サービスの特徴や機能、導入時の注意点を踏まえ「公平な立場で、目的に合ったサービスをご提案できる」ということはTECO Designの強みでもあります。
数多くの導入支援実績により培ったノウハウを生かし、実際の導入プロセスや、それに付随する業務についても可能な限り明確にして進めていきます。
具体的な確認内容として
・予定しているサービスで可能な範囲の確認
・予算の確認・他のシステムとの連携の確認
・導入後の担当者(内製化若しくはアウトソースなど)の確認
このような確認を進めていきますが、経営層の方やアウトソースされている社会保険労務士の方、場合によってはベンダーの方もご参加いただく場合もございます。
また、実際のご相談として、いくつかのSaaSサービスを既にピックアップし、自社の課題解決が可能であるサービスの組み合わせをご相談いただくケースがございます。
そのような場合も、改めてヒアリングにて制約条件を明らかにしたのちに業務設計を進めることで、「導入後のゴールが曖昧になってしまうこと」「不要な機能にまで費用をかけてしまうこと」を回避できたという事例もありますので、一緒にじっくりと選定していきましょう。
クラウドサービス稼働に向けて業務フローの見直しと整理
目的やゴールを踏まえ導入クラウドサービスを決定すると、続いて実際の導入に向けた業務設計に取り掛かることとなります。
現行の勤怠管理や給与計算の各情報を確認しながら、導入クラウドサービスに合わせた業務フロー、内部の設定については具体的なイメージと共に見ていきましょう。
給与計算の内訳をパターン化
給与計算の内訳である手当項目、控除項目を洗い出し、今後自社で更新したりアウトソースしやすくするためにパターン分けをしていきます。
給与計算における支給項目のパターン
・毎月固定額
・毎月金額が変動する
・単価×時間×割増率
・単価×回数(日数)
現行の手当項目、その計算内容からこれらのパターンに収れんし、控除項目についても同様にパターン化していきます。
給与計算プロセスを整理
給与計算に使用する情報についても一覧にまとめて実際のプロセスを振り返り、今後の給与計算でいかにミスなく工数を削減した運用にシフトできるかを設計していきます。
給与計算プロセスに必要な情報
・勤怠データ
・入社情報
・当月変更となる情報一覧
・別途集計、支払控除が必要な項目
給与計算プロセスにはこれらの情報の準備が必要ですが、勤怠データひとつ見ても出力形式を整理したり、API連携を利用するなどフローの切り替えにより工数や手間の削減が可能です。
また、社会保険労務士などへのアウトソーシングをされている場合においても、引き渡し資料の見直しがその対象となるでしょう。
年間の業務フローを確認
月次給与計算のフローと同様に1年間の中で発生する業務フローについてもプロセスを振り返り、新システムでの利用方法のレクチャーも実施しています。
1年間の中で発生する業務
・労働保険年度更新
・住民税更新
・定時決定(算定基礎)
・随時改定
・年末調整
・賞与
・昇給
定期的に発生する業務だけでなく、従業員の入退社のタイミングなど適時発生する業務についても確認していきます。
また、給与計算確定後のアウトプット資料、経理や経営指標に引き渡しが必要なデータを含めた業務設計をした上で、設定代行にて新システムへのデータ移行などを行っていきます。
クラウドシステムへのデータ移行と検証結果の確認
ここまではヒアリングにてクラウドシステム導入の目的を踏まえた適切なサービスを選定し、業務フローの整理や見直しを順序だててじっくり確認してきました。
ここからは、過去データとの整合性が取れているかチェックをするために、過去実績データをご提供いただき検証を進めていきます。
勤怠管理システム、給与計算システムいずれの場合もデータの移行・設定と併せて過去の実績データの情報を当てはめ、主に計算式が含まれている箇所を中心に自動計算結果との検証を行います。
勤怠システムでは…まるめ処理・月別集計を中心に
給与システムでは…残業手当の金額を中心に
システムは法に則った対応ができるような機能が準備されていますので、導入のタイミングでルールを正し、運用しやすいオペレーションに切り替えることによって、よりシステム導入の効果を得られるでしょう。
この機会に就業規則の改定や制度の見直し、社内体制の見直し、それに伴いコンサルティングが必要になった場合は、社会保険労務士へもぜひご相談ください。
ただし、今後も必須ルールとなる場合や、一部システムの仕様により対応できない要件については運用時の対応項目としています。
安定運用していくための基盤作りもサポート・伴走
運用時の対応項目の有無に関わらず「クラウドを導入してしまえば全自動できる」ということではないので、安定運用していくための基盤作りに重点を置きサポートしています。
必要に応じて設計・設定を何度も繰り返し、できる限り自動計算にて勤怠の集計や給与計算が完了できるところまでの最適化を実施し、その後は並行打刻・並行計算にて最後の仕上げを進めていきます。
並行稼働中はTECO Designサポートメンバーが伴走し、キャッチアップの漏れはないか?システム変更後の注意点はどこなのか?くまなくチェックし最後の仕上げをいたします。
また、既に勤怠システムを導入されている企業さまに対しても、運用面の見直しや設定に関するご相談を「最適化業務」として承っています。
動画でも「導入支援業務」をご紹介しています!
クラウドサービスの「導入支援業務」についてじっくりご紹介させていただきましたが、導入の際は目的やゴールに合った選定、設計がカギとなるということにもお気づきいただけたのではないでしょうか。
TECO Design公式YouTube動画【「クラウド導入支援」って何するの?丁寧に説明してみた 】でも分かりやすくご紹介していますので、そちらもぜひご覧になってみてください。