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マイナンバーカードの健康保険証利用で、あれもこれも便利に!?

マイナンバーカードの健康保険証利用の本格運用が始まりましたが、その政策に疑問の声が上がるなど何かと話題になったことは記憶に新しいのではないでしょうか。

マイナンバーカードの健康保険証利用登録をするとポイント付与が受けられるので、ひとまず申し込みだけは済ませたという方も多数いるようです。

そこで今回はマイナンバーカードの健康保険証利用登録や実際の医療機関で利用する方法、メリットデメリットを確認していきましょう。

マイナンバーカードは安全かつ正確な本人確認書類

マイナンバーは2015年10月以降、住民票を有する全ての人へ付番が開始され、マイナンバーカードの交付は2016年1月から始まりました。

マイナンバーカードは本人確認書類として社会保険、税、災害対策分野において行政手続きに活用されており、1枚でマイナンバーの確認と身元確認が同時に行える唯一の書類です。

ちなみに、マイナンバーカードのICチップにはプライバシー性の高い個人情報はあえて記録されていなかったり、偽造を防ぐセキュリティ加工が施されています。

健康保険証として使うためのフローはこちら!

2021年3月からはマイナンバーカードの健康保険証利用が順次開始されましたが「身近な場所でも利用できるのか」「どうやって使うのか」ご存じですか?利用する際のポイントをおさらいしていきましょう。

事前申し込みはスマホでOK

マイナンバーカードの健康保険証利用の事前申し込みは、マイナンバーカード読み取りに対応しているスマートフォンや、ICカードリーダーを接続したPCから申し込み可能です。

また、セブン銀行ATMから事前申し込みすることも可能なので、医療機関受診前にマイナンバーカード発行時に設定した数字4桁の暗証番号を用いて予め申し込んでおきましょう。

使える場所は「マイナ受付」が目印

マイナンバーカードの健康保険証利用対象の医療機関や薬局は「マイナ受付」のポスターやステッカーが目印で、対応する医療機関は今後も徐々に拡大予定です。

また、ネットで公開されているマイナンバーカードの健康保険証利用対象の医療機関・薬局のリストは随時更新されますし、医療系検索サイトでも検索可能なのでかかりつけの医療機関の対応状況をチェックしておくと良いでしょう。

使い方はカードリーダーにかざすだけ!

専用カードリーダーにかざすだけで医療保険の資格確認が可能になり、顔認証付きカードリーダの場合は患者の操作のみで受け付けられます。

また、顔認証機能が無い汎用カードリーダーの場合も、医療機関職員の目視確認が追加されるのみなので職員・患者側双方の負担軽減につながります。

マイナンバーカードの健康保険証活用シーンとメリット

マイナンバーカードの健康保険証利用は、医療機関利用時の医療保険の資格確認がスムーズになること以外にも活用シーンがあるようです。

転職などがあってもそのまま保険証として使える

通常、転職などで医療保険者が変わった場合は加入手続き後新しい健康保険証の発行が行われるため、どうしても受け取るまでに時間がかかってしまいます。

マイナンバーカードの場合は、そのようなライフイベントがあっても新しい医療保険者への手続きを済ませれば、そのまま手元のマイナンバーカードを健康保険証として継続利用できるのは嬉しいポイントです。

限度額以上の一時支払いが不要

通常、高額医療費制度を利用する場合は事前申請の書類を提出し、後日受け取った認定証を窓口に提示する必要があるので申請の手間や一時支払いが発生します。

一方、マイナンバーカードを健康保険証として利用可能な医療機関では、限度額適用認定証の提示がなくても一時支払いが不要になり、限度額を超える支払いが免除されるので、マイナ保険証利用により利用者負担が大幅に軽減されるでしょう。

e-Tax連携で確定申告にも対応

マイナポータルからe-Taxへ情報連携が可能になりオンラインで完結できるようになったため、医療費の領収書の管理が不要になります。

過去のデータを医師や薬剤師が正確に把握できる

過去の処方内容や特定健診の情報を医師や薬剤師に問われることは多々ありますが、口頭での説明にはどうしても不足が生じるでしょう。

そのような場合もマイナンバーカードを利用していれば、医師や薬剤師へ自動でデータの連携ができるため口頭で説明する必要がなくなったり、災害時にも服用している薬の情報が正しく連携されるため安心です。

マイナポータルで薬や特定健診の情報が閲覧できる

処方された薬の情報や特定健診の情報は、マイナポータルから自分でも閲覧できますし、マイナポータルの薬の情報は電子お薬手帳にも連携可能です。

話題になった保険証利用に関する政策やデメリットとは

ここまではマイナンバーカードの健康保険証利用で患者側、医療機関側双方にメリットが多く利用に興味が湧いてきたのではないでしょうか。

いざ利用する前に、話題になった政策やデメリットとして考えられる心配ごとをチェックしていきましょう。

利用者の窓口負担額が上がるという政策が問題に

マイナンバーカードの健康保険証利用の本格運用に際し、システムを導入する医療機関や薬局に対して2022年4月から診療報酬の加算措置が新設されました。

しかし、加算措置がなされるということによって患者の窓口負担額が上がり、マイナンバーカードの健康保険証利用普及にも大きく影響してくるのではないかと話題になりました。

こちらの政策は国会審議でも見直しが検討されているので、今後の動きにぜひ注目していきましょう。

プライバシーは大丈夫?

マイナンバーは特定個人情報に該当するため、健康保険証として利用することでマイナンバーを他人に見られてしまう恐れがあるのでは?と思われるかもしれません。

しかし、マイナンバーを利用する手続きでは顔写真付きの本人確認書類が必要になるため悪用は困難で、なりすまして手続きを進めることはまずできないでしょう。

また、ICチップにもプライバシー性の高い情報は記録されないため、健康保険証としての利用時に情報漏洩の心配はありません。

万が一紛失した場合はどうする?

健康保険証利用するためにはマイナンバーカードを携帯していなくてはなりませんが、万が一紛失してしまった場合の対応方法はあらかじめ知っておきたいですね。

紛失してしまった場合は24時間365日フリーダイヤルの窓口へ連絡し、そちらから一時利用停止出来ることを覚えておきましょう。

更なる機能拡大も予定されているマイナ保険証

2023年3月からは全国の医療機関、薬局でマイナンバーカードの健康保険証利用に対応する予定ですので、これから益々身近になるはずです。

また、現在医師や薬剤師へ自動でデータの連携可能なのは処方された薬の情報や特定健診の情報のみですが、手術の情報など連携項目が増やされる予定があったり、電子処方箋機能の追加など利便性向上にも期待されます。

健康保険証としての利用以外にもマイナンバーカードの利用シーンは多様で、行政手続きが便利になったと感じることも多いのではないでしょうか。マイナンバーカードの今後の展望に注目したいですね。

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